UPPERLEFT CO.

メディア計画のたたき台

サイトリニューアルにあわせて、記事メディアをどう立ち上げるか。そして記事とSNSの更新をどこまで自動化できるか。打ち合わせで決めたいことを整理しました。

2026年9月 / 中須
  1. 今どうなっているか
  2. 最初に決めること:誰に読ませるか
  3. 具体案:ホップ品種辞典
  4. 記事はどう作るか
  5. 自動化できる範囲
  6. SNSごとの制約
  7. リニューアルで決めておきたいこと
  8. 進め方
  9. 決めたいこと

01

今どうなっているか

外から見える範囲での事実です。

ブログupperleft-style.com のブログは記事が1本のみ(2020年9月)。Dank Hop 側にホップの保存温度に関する記事が1本。実質ゼロからの立ち上げになります。
商品ページCitra® HBC 394 のページはスペック表だけで、解説文がありません。他の品種も同様の構成です。
商品点数Dank Hop Collection に79品。書くネタは十分にあります。
持っている素材各ブランドの英語の技術資料、産地・農家の情報、実際の輸入ロットの分析値。
先に伺いたいこと

サイトのリニューアルを、どういう形で進められる予定でしょうか。 社内で対応されるのか、制作をお願いされる方がいるのか。ここが分かると、記事の側で何をご用意できるかがはっきりします。詳しくは 07 に書きました。

ここが一番の強み

各ブランドの技術資料という一次情報を持っている会社は、日本にほとんどありません。 総代理店だから手元にあるもので、他社が真似できない部分です。メディアの差別化はここから作れます。

02

最初に決めること:誰に読ませるか

施策より先に、読者を1つに決めます。ここが決まらないと、あとの全部がぶれます。

おすすめ

A案:ブルワー向けの専門メディア

  • 狙い:卸の指名と引き合い
  • 単価が高い(本丸の卸が動く)
  • 競合がほぼいない
  • 一次情報を持つ御社が圧倒的に有利
  • 成果は遅いが、太い
B案

B案:愛好家・ホームブルワー向け

  • 狙い:ECとAmazonへの送客
  • 単価は低いが数は出る
  • 競合が多い
  • 一般向けなので書き手を選ばない
  • 成果は早いが、細い

A案を推す理由

売上の本丸が卸である以上、記事の閲覧数より「ホップを買うなら Upperleft」という指名が直接効きます。そしてA案は、御社にしか書けない内容で埋められます。B案は誰でも書けるぶん、勝つのに時間がかかります。

なお、A案で作った記事は愛好家にも読まれます。逆は成立しません。専門的な方から始めて、あとで広げる方が順番として有利です。

03

具体案:ホップ品種辞典

A案の入口として、最初に作るべきものです。

取扱品種を、1品種につき1ページで解説します。α酸などのスペックに加えて、香りの輪郭、投入タイミング別の使い方、相性の良いビアスタイル、組み合わせる品種、保管の考え方まで。

なぜこれが効くのか

商品と1対1で紐づく記事がそのまま販売ページへの導線になります。読んだ人が迷わず買える。
ネタが枯れない79品あるので、記事が自然に積み上がります。「何を書くか」で悩む時間がなくなります。
検索で取りやすい品種名での検索は指名検索に近く、比較的上位を狙いやすい領域です。
御社にしか書けない実際の輸入ロットの数値を出せるのは、輸入している会社だけです。
デモを1本作りました

Citra® HBC 394 で実際に作ったページです。数値は Dank Hop の商品ページにある実ロットのものを使っています。
https://upperleft-hop-sample.pages.dev

ホップの専門家から見れば直したいところがあると思います。完成品ではなく、たたき台として見てください。指摘をいただいた方が、確実に良くなります。

04

記事はどう作るか

AIを使いますが、丸投げはしません。

作業は5つの工程に分かれます。リサーチ、構成づくり、執筆、校正、画像。このうちAIが担うのは、資料を読み込んで下地を作る部分と、文章を組み立てる部分です。

工程やること人が見るところ
リサーチ英語の技術資料、公的な資料を読み込む
構成検索されている内容に合わせて見出しを組む
執筆読み物として成立する文章にする
校正事実確認・数値の突き合わせ・表現の統一◎ 数値と専門的な記述
画像アイキャッチと本文中の図版
ここは人の目が要ります

品種辞典は在庫商品と直結するため、数値や使い方の記述を間違えると、そのまま売上と信用に響きます。 最初のうちは、公開前に御社側で目を通していただく形を想定しています。運用が安定してから、確認の範囲を軽くしていくのが安全です。

05

自動化できる範囲

「どこまで自動で、どこから人が見るか」の線引きです。

記事の投稿

Shopify には外部から記事を投稿する仕組みがあります。書き上がった記事を、そのままブログに流し込むところまで自動化できます。 ここに技術的な制約はありません。

SNSの投稿

記事を公開したら、そこからSNS用の投稿文を自動で作れます。ただしそのまま世に出すのではなく、人が確認してから公開する形を推奨します。ブランドの信用がかかる発信なので、最後に人が見る場所を残しておくべきです。

技術的な補足

Instagram と Threads は投稿が2段階になっていて、まず投稿の中身を用意し、次に公開の操作をして初めて世に出ます。「自動で用意しておく → 確認する → 公開する」がそのまま組めます。

X だけは仕組みが違い、送信すると即座に公開されます。そのためXについては、投稿文をいったん別の場所に溜めておいて、確認したものだけを送る形になります。

06

SNSごとの制約

各社の公式ドキュメントで確認した、2026年9月時点の状況です。

 費用審査備考
Threads 無料 不要 1日250投稿まで。最も導入しやすい。
Instagram 無料 不要 プロアカウントとFacebookページの連携が前提。画像が必須で、テキストのみの投稿はできません。1日100投稿まで。
X 有料のみ 不要 2026年2月に無料枠が廃止され、従量課金のみになりました。

※ 審査「不要」は、自社のアカウントにだけ投稿する場合です。他社に提供するサービスを作る場合は審査が必要になります。

X の費用について

投稿1件あたり $0.015(約2円)、リンクを含む投稿は $0.20(約30円)です。記事のURLを貼る運用は後者に当たります。

運用イメージ月額の目安
週3本・記事URL付き(月12投稿)360円
毎日1本・記事URL付き(月30投稿)900円
毎日3本・記事URL付き(月90投稿)2,700円
毎日3本・テキストのみ(月90投稿)200円

※ 1ドル150円換算。金額としては小さいので、費用そのものより「無料では始められない=支払い設定が必要」という点をご認識いただければと思います。

なお、URL付きが13倍という単価差があるので、すべての投稿にリンクを貼らず、テキスト中心の投稿を混ぜるという設計も可能です。運用量が増えてきたら検討する余地があります。

07

リニューアルについて伺いたいこと

進め方によって、こちらからお出しできるものが変わります。まず現状を教えていただきたいです。

「作り直しが必要そう」とのことでしたが、どういう形で進められる予定でしょうか。 社内で対応されるのか、制作をお願いされる方がいるのか。体制によって、記事の側からお渡しした方がよいものが変わってきます。

テーマの制作そのものは専門の方にお願いする前提で考えています。そのうえで、記事を載せる前提だと、テーマができてからでは足しにくいものがいくつかありそうだなと思っています。現時点でこちらが考えていることを、参考までに並べておきます。 実際にどうするかは、進め方を伺ってからご相談させてください。

考えていることそう考えている理由
記事テンプレート 品種辞典は普通のブログ記事と少し構造が違うので、スペック表や商品ページへの導線が載る前提で組めるといいのかなと思っています。あとからテンプレートを変えると、それまでに書いた記事も直すことになりそうなので。
スペックの持ち方 α酸などの数値を、記事の本文に直接書くのではなく、商品のデータとして持たせる形もあるのかなと考えています。ロットが変わったときに記事を1本ずつ直すとなると、79品ではかなり大変そうなので。商品ページと記事が同じ数値を見ていれば、更新は1箇所で済みそうです。
記事の一覧ページ 79品が並ぶので、品種名で探せる形があると使いやすいかなと。新着順だけだと、目当ての品種にたどり着きにくいかもしれません。
商品ページからの導線 記事から商品へは行けるとして、商品ページからも解説に行けると、行き来ができていいのかなと思っています。
ブログを分けるかどうか 品種辞典とお知らせが同じ場所に混ざると、読む側が迷うかもしれません。分けるかどうかは、最初に決めておく方が楽そうです。
URLの扱い 今のURLで検索エンジンに評価されているページがあると思います。作り直しでURLが変わる場合は、古いURLから転送する設定を入れておいた方が安全かなと。制作される方がご存じの領域だと思いますが、念のため。
タイトルと説明文 検索結果に出る文言を、記事ごとに設定できる形になっているとありがたいです。
画像の置き場 SNSへの自動連携では、画像が公開URLでアクセスできる必要があります。記事のアイキャッチをそのまま使える形だと、余計な作業が減りそうです。
前提として

作り直しが必要かどうかは、こちらは表側しか見ていないので判断できません。そこはリュウさんと制作される方のご判断だと思っています。

ただもし作り直されるのであれば、記事のことも一緒に考えられるタイミングかなと思い、この章を入れました。 上に並べたものも、決めごとではなく検討材料として見ていただければと思います。

08

進め方

全部を一度に作らず、効果と手離れの良い順に組みます。

第1段階 記事の構造を決めて、数本作る

まずここ

誰に向けて書くかを決め、品種辞典の形式を固めます。主力の品種でいくつか作り、実際に読んでみて調整します。仕組みより先に、中身の型を作る段階です。

第2段階 Shopifyブログへの自動投稿

型が決まったら

記事をブログへ流し込む仕組みを作ります。ここが動くと、記事を作る作業だけに集中できるようになります。

第3段階 Threads への連携

記事が積み上がってから

無料かつ審査不要で、確認してから公開する流れも組めます。SNSの1本目として最適です。

第4段階 Instagram、そして X

運用が安定してから

Instagram は Threads と同じ仕組みなので、追加は軽く済みます。X は費用の判断をいただいてから。

09

決めたいこと

この3つが決まれば、次の一歩が具体的になります。

  1. 記事で狙いたいのは、ブルワリーさんからの引き合いか、ECの売上か = 02の A案 / B案 のどちらか
  2. 更新にどれくらいの時間・人手を割けそうか = 現実的なペースを決めるため
  3. SNSは今どのアカウントをお持ちか = プロアカウントか、Facebookページと連携済みか
  4. リニューアルをどう進める予定か、時期はいつ頃か = 体制と時期によって、記事側でご用意できるものが変わります